次期GT-R(R36)のフルモデルチェンジは、日産が開発中の全固体電池を搭載した高性能EV(電気自動車)として、2028年以降に登場する可能性が最も有力です。現行のR35型は部品供給の問題などから2025年モデルをもって生産を終了することが確定しています。価格は3000万円を超えることが予想され、性能は1000kW(1360馬力)級に達する可能性があります。
新型GT-R(R36)フルモデルチェンジ、知っておくべき全情報
日本の、いや世界のスーパーカー史にその名を刻んだ「R35 GT-R」。2007年の衝撃的なデビュー以来、「イヤーモデル制」を導入し、毎年進化を続けることで世界の第一線で戦い続けてきました。しかし、その輝かしい歴史もついにフィナーレを迎え、次なる伝説の序章が始まろうとしています。次期GT-R(R36)に関する最新情報と、現行R35の生産終了について徹底解説します。
新型GT-R(R36)フルモデルチェンジのポイント
- R35 GT-Rは2025年モデルで生産終了が確定
- 次期R36の発売は2028年以降が最有力
- パワートレインは全固体電池EVが濃厚
- 最高出力は1360馬力(1000kW)に達する可能性
- デザインは「ハイパーフォース」がベースか
- 価格は現行NISMOを超える3000万円以上と予想
- ハイブリッドや純ガソリンの可能性は低い
【確定情報】R35 GT-R、17年の歴史に幕。2025年モデルが最終章に

長年のファンにとっては寂しいニュースですが、これは次なる伝説の序章に他なりません。日産は公式に、2025年モデルを最後にR35型GT-Rの生産を2025年8月をもって終了すると発表しました。17年という異例の長寿モデルとなったR35 GT-Rですが、その長い歴史の中で数々の改良が重ねられてきた結果、使用される部品は膨大な種類にのぼり、一部部品の供給見通しが立たなくなってきたことが生産終了の大きな理由として挙げられています。
なぜ生産終了?部品供給と年々厳しくなる規制の壁
年々厳格化される騒音規制や環境規制への対応も限界に近づいていました。特に2022年以降の騒音規制(フェーズ2)への対応は極めて困難とされ、一時は2022年モデルが最後と噂されたほどです。開発陣の血の滲むような努力によって排気音の周波数を調整し、2024年モデル、そして最終の2025年モデルの発売が実現しましたが、基本設計が17年前のプラットフォームで未来の規制に対応し続けることは、もはや不可能だったのです。
最後の純ガソリンGT-R「2025年モデル」の価値とは

生産終了が発表されたことで、R35、特に最終モデルである2025年モデルの価値は歴史的なものとなります。1500台の限定生産とされ、すでに新規注文の受付は終了しています。このモデルは、熟成の極みに達したVR38DETT型3.8リッターV6ツインターボエンジンを搭載する最後のGT-Rとして、後世に語り継がれることは間違いありません。特に「Premium edition T-spec」と「Track edition engineered by NISMO T-spec」には、高精度重量バランス部品(ピストンリング、コンロッド、クランクシャフト)が採用され、レスポンスの精度が極限まで高められています。

【最重要】次期GT-R(R36)の発売日はいつ?2028年EV化説が最有力な理由
R35の終焉が確定し、ファンの最大の関心事は「次期GT-R、R36はいつ登場するのか?」という点に集約されています。現在、メディアや専門家の間では様々な説が飛び交っていますが、2028年説が最も信憑性の高い情報として注目されています。
錯綜する発売日情報(2026年~2030年)の噂を整理
- 2026年説: R35の生産終了後、比較的早い段階での登場を期待する声ですが、技術的な課題を考えると現実的とは言えません
- 2027年説: 一部のメディアが報じているタイミングですが、やや楽観的な見方かもしれません
- 2030年までに登場説: より長期的なスパンで、電動化技術の成熟を待つという見方です
- 2028年説(最有力): 現在、最も信憑性が高いとされているのがこの説です
なぜ「2028年」なのか?鍵を握る”全固体電池”
2028年説が最有力とされる最大の根拠は、日産が次世代バッテリーとして開発に総力を挙げている「全固体電池(ASSB)」の実用化目標時期にあります。日産は公式に、2028年度までに全固体電池を搭載したEVを市場投入するという野心的な目標を掲げています。現在、横浜工場内にパイロット生産ラインを建設中であり、2024年度には稼働を開始する計画です。全固体電池は、現在のリチウムイオン電池と比較して、エネルギー密度が約2倍、急速充電性能の大幅な向上、高い安全性と長寿命、コスト削減の可能性といった革新的なメリットを持ち、「ゲームチェンジャー」と目されています。GT-Rのようなハイパフォーマンスカーにとって、重量増と航続距離が課題となる電動化において、この全固体電池はまさに”切り札”です。

日産新型GT-R(R36)【徹底考察】R36の心臓部はどうなる?パワートレインの全貌に迫る

発売時期と並んで注目されるのが、R36のパワートレインです。純ガソリンエンジンとの別れは確実視される中、その未来はどのような形になるのでしょうか。現在の情報から判断するに、R36は全固体電池を搭載したピュアEV(BEV)になる可能性が極めて高いと考えられています。
最有力:1360馬力の衝撃!全固体電池搭載のピュアEV説
その根拠となっているのが、2023年のジャパンモビリティショーで世界を震撼させたコンセプトカー「ニッサン ハイパーフォース」です。このモデルは、次期GT-Rを強く示唆するものとして大きな話題を呼びました。ハイパーフォースが提示したスペックは、まさに異次元の領域で、パワートレインには全固体電池と高出力モーターを搭載し、最高出力1,000kW(約1360馬力)、駆動方式は進化した電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を採用しています。このスペックがもし市販モデルのR36に反映されれば、0-100km/h加速は現行GT-R NISMOの2.8秒を遥かに凌ぎ、2秒前半、あるいはそれを切る領域に突入する可能性すらあります。
消えゆく噂:ハイブリッド説の可能性はまだあるか?
一時期、R36はツインターボエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド(PHEV)になるという噂も根強くありました。これは、現行のバッテリー技術ではEV化による重量増が避けられず、GT-Rらしい運動性能を維持するためにはエンジンとの組み合わせが現実的という見方に基づいています。しかし、日産はすでに「新たな内燃機関の開発は行わない」と公言しており、既存のエンジンを改良して搭載する可能性は低いと考えられます。全固体電池という”ブレークスルー”が視野に入っている以上、あえて過渡期的なハイブリッドシステムをフラッグシップモデルであるGT-Rに採用するメリットは薄いでしょう。

日産新型GT-R(R36)【デザイン解剖】ニッサン ハイパーフォースは次期GT-Rの姿か?
パワートレインと共にファンの心を躍らせるのが、そのデザインです。「ニッサン ハイパーフォース」は、本当に次期GT-Rのプレビューモデルなのでしょうか。デザインの詳細分析から、その可能性を探ってみましょう。
GT-RのDNAを受け継ぐデザイン要素を徹底分析

ハイパーフォースのデザインには、誰が見てもGT-Rと分かる意匠が随所に散りばめられています。丸目4灯テールランプはスカイライン時代から受け継がれる、GT-Rの最も象徴的なアイコンとして健在です。キャビンシルエットはR35 GT-Rを彷彿とさせる、特徴的なルーフラインとウィンドウグラフィックを持ち、フロントのエンブレムはピクセル化されたデザインながら、その形状は紛れもなく「GT-R」のロゴを模しています。全体のスタンスは低くワイドに構えたシルエットで、往年のシルエットフォーミュラを思わせる迫力があり、GT-Rが持つパフォーマンスの高さを表現しています。
コンセプトから市販へ。予想されるデザインの進化
もちろん、ハイパーフォースのデザインがそのまま市販されるわけではありません。コンセプトカー特有の過激なエアロパーツや、非現実的なディテールは、市販化に向けてより洗練された形にリファインされるでしょう。NISMOレーシングチームと共同開発された空力設計はR36の核となると考えられます。特に、フロントボンネット下の2段構造や、新開発のプラズマアクチュエーターといった先進技術は、何らかの形で市販モデルにも活かされる可能性があります。大胆な幾何学模様は、より現実的なプレスラインに落ち着くと考えられますが、力強く筋肉質な面構成というコンセプトは維持されるはずです。
日産新型GT-R(R36)【スペック&価格予想】R36はいくらで買える?性能はどれほど進化する?
R36がハイパーフォースのコンセプトを受け継ぐと仮定した場合、そのスペックは世界のスーパーカー勢力図を塗り替えるポテンシャルを秘めています。現行モデルからの圧倒的な進化と、ライバルとの性能比較を詳しく見ていきましょう。
異次元の加速へ。予想スペックをライバルと比較
モデル | パワートレイン | 最高出力 | 0-100km/h加速 |
---|---|---|---|
日産 新型GT-R R36 (予想) | 全固体電池EV | 1000kW (1360ps) | 2.0秒前後 |
日産 GT-R R35 NISMO | 3.8L V6ツインターボ | 441kW (600ps) | 2.8秒 |
ポルシェ タイカン ターボGT | EV | 760kW (1034ps) | 2.2秒 |
テスラ モデルS Plaid | EV | 750kW (1020ps) | 2.1秒 |
表からも分かる通り、R36は現行モデルを遥かに凌駕し、ポルシェやテスラの最速モデルと互角以上に渡り合う性能を持つことが期待されます。特に注目すべきは、全固体電池の採用により、従来のリチウムイオン電池では実現できなかった軽量化と高出力の両立が可能になることです。
価格は3000万円超え?高騰必至の理由
性能が異次元なら、価格もまた別次元になることは避けられません。現行のR35 GT-R NISMO Special editionがすでに3,061万円という価格であることを考えると、次期R36の価格は最低でも3000万円を超え、上位グレードではさらに高額になると予想するのが妥当です。価格高騰の要因は、全固体電池の初期製造コスト、1000kW級のパワートレインや先進的な車体制御技術の開発費、軽量化のための高価なカーボン素材の多用、そしてポルシェ タイカン ターボGTが約3,132万円であることを考慮したライバルとの価格バランスなど、複数の要因が重なっています。
日産GT-R【購入ガイド】今、R35を買うべきか?R36を待つべきか?

GT-Rファンにとって、究極の選択が迫られています。熟成の極みである最後の純エンジンモデル「R35」を手に入れるか、未来のテクノロジーが詰まった「R36」を待つべきか。それぞれの魅力と判断基準を整理してみましょう。
R35の魅力:最後の純エンジンと資産価値

- 官能的なエンジンフィール: VR38DETTが奏でるサウンドと、ターボが炸裂する暴力的な加速感は、電動化されるR36では決して味わえません
- 完成された走行性能: 17年間の熟成により、そのドライビングプレジャーは極限まで高められています
- 歴史的価値と資産性: 「最後の純ガソリンGT-R」という称号は、今後ますますその価値を高めていくでしょう
R36の魅力:未来のテクノロジーと圧倒的性能
- 圧倒的なパフォーマンス: 1360馬力という、R35とは比較にならないパワーと異次元の加速性能
- 最先端技術の塊: 全固体電池、進化したe-4ORCE、先進的なエアロダイナミクスなど、自動車技術の最先端を体験できます
- 新たな時代の象徴: 電動化時代の新たなベンチマークとして、歴史に名を刻む一台となる可能性を秘めています
どちらを選ぶかは、あなたがGT-Rに何を求めるか次第です。内燃機関へのノスタルジーと完成されたアナログ感を愛するならR35。未来への期待とデジタル時代の究極の速さを求めるならR36を待つ、という選択になるでしょう。
【ライバル比較】世界の強豪と渡り合うR36のポジション
R36が登場する2028年頃のスーパーカー市場は、電動化がさらに進み、群雄割拠の時代になっていると予想されます。既にEVスーパースポーツの分野では、ポルシェ「タイカン」やテスラ「モデルS Plaid」が確固たる地位を築いており、R36はこれらのモデルが築いた基準を打ち破る存在として期待されています。
EVスーパースポーツ戦国時代:ポルシェ、テスラとの戦い
特に、サーキットでの持続的なパフォーマンス(ラップタイム)において、バッテリーの熱管理や重量バランスで優位性を持つ全固体電池がどれほどの差を生み出すのかが注目されます。従来のリチウムイオン電池では、連続した高負荷走行時の熱劣化が課題でしたが、全固体電池はこの問題を根本的に解決する可能性を秘めています。また、より軽量でコンパクトなバッテリーパックにより、理想的な重量配分の実現も期待されています。
次世代国産スポーツ頂上決戦:NSX、LFA後継との未来
国内に目を向けければ、ホンダが次期「NSX」を、トヨタ(レクサス)が「LFA」の後継モデルを、それぞれEVとして開発しているという噂があります。もしこれらが同時期に登場すれば、かつての国産スポーツカー黄金期を彷彿とさせる、夢の頂上決戦がEVの舞台で繰り広げられることになります。R36は、その中で日本の技術力を世界に示す旗手としての役割を担うことになるでしょう。
まとめ 日産GT-R(R36)フルモデルチェンジ最新情報

日産GT-Rの次章、R36は、単なるモデルチェンジではなく、自動車史における一つの転換点となる可能性を秘めています。R35という偉大な歴史に敬意を払いつつ、全固体電池という切り札を手に、EVスーパースポーツの新たな王座を狙う。その姿は、まさに未来から来た新たなる「GODZILLA」です。公式な発表はまだ先ですが、ハイパーフォースが示した断片的な情報だけでも、その期待は膨らむばかりです。我々は、伝説が終わり、新たな神話が始まる瞬間を、固唾を飲んで見守ることになります。
日産GT-R(R36)フルモデルチェンジに関するよくある質問(FAQ)
参考サイト
- 日産 GT-R 公式サイト: https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/gt-r.html
- 日産 ニュースルーム (2025年モデル発表): https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/240314-01-j
- 日産 ニュースルーム (ハイパーフォース発表): https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/231025-01-j