日野ブルーリボン Z EVの改良|寒冷地仕様・充電口後面・識別ラベルの3点を公式で確認

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日野ブルーリボン Z EVの改良は、寒冷地仕様オプションの新設・充電口の後面への移設・EV識別ラベルの追加の3点です。一充電走行距離360kmや電池242kWhといった諸元は、改良前から動いていません。

日野は2026年10月27日のニュースリリースで、出荷を11月初旬に始めると発表しました。発表文に価格と寒冷地仕様の航続数値は載っていないため、この記事は公表された事実だけで、バス事業者や自治体の調達担当が確かめるべき点を整理します。

この記事のポイント

  • 改良は3点だけ
  • 諸元は改良前と同じ
  • 価格と寒冷地の数値は未公表
  • 改良度スコアは8点/20点

速報(11月3日更新)

  • 2026年10月27日【確定】日野が「日野ブルーリボン Z EV」を一部改良し、11月初旬から出荷を始めると発表しました。寒冷地仕様オプションの新設、充電口の側面から後面への移設、EV識別ラベルの追加が内容です(日野 ニュースリリース)
  • 2026年7月27日【確定】いすゞが兄弟車の「エルガEV」で同じ3点の改良を発表していました(いすゞ ニュースリリース)

2026年11月3日時点で、日野は価格と寒冷地仕様の航続数値を公表していません。

公開日:2026年11月3日 / 最終更新日:2026年11月3日

日野ブルーリボン Z EVの車両側面の外観
日野ブルーリボン Z EVの外観(メーカー公表写真)。 写真:日野自動車

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目次

日野ブルーリボン Z EVの改良は3点だけ、走行性能の数字は動いていません

結論から書きます。今回の改良は寒冷地仕様オプションの新設・充電口の移設・EV識別ラベルの追加の3つで、電池・モーター・航続距離の数字は改良前のまま。外観の寸法も、改良前と同じです。

日野ブルーリボン Z EVの改良は3点だけ、走行性能の数字は動いていません。動いたのは運用に関わる3項目で、走行性能に関わる数字は1つも変わっていません

「発売」ではなく「出荷開始」という書き方

日野の発表では、11月初旬から出荷を始めるとされています。バスは事業者ごとの仕様で納める商品なので、実際の納期は販売会社への確認が欠かせません。

2026年8月21日には、ディーゼルのブルーリボンとレインボーの一部改良の発表が出ましたが、Z EVはその対象に入っていませんでした。EVの改良は別の日程で動いたことになります。

改良前後の差分表

改良前は2024年10月31日の発売時リリース、改良後は10月27日のリリースを突き合わせた表です。動いたのは運用に関わる3項目で、走行性能に関わる数字は1つも変わっていません。

項目改良前改良後変化
寒冷地仕様なし(新設)プレヒーター採用のオプションを新設あり
充電口の位置車両側面車両後面あり
EV識別ラベル—前・側・後に追加あり
代表車型の型式ZAC-KV828L1ZAC-KV828L1-F6JEあり
一充電走行距離360km360kmなし
電池・モーター242kWh・250kW242kWh・250kWなし
全長×全幅×全高10,545×2,485×3,330mm10,545×2,485×3,330mmなし
最小回転半径7,900mm7,900mmなし

表の読み方は単純で、上の4行が変わり、下の4行は同じです。型式の末尾が変わった点は、補助金の確認と関わるので後半で触れます。

市街地を走る日野ブルーリボン Z EVの外観
路線バスとして走るZ EV(メーカー公表写真)。 写真:日野自動車

数字が動かない改良は、導入済みの事業者ほど確認点が増えるんだよね

EVバスの充電口が後面へ移る|車庫での並べ方は変わるのか

日野は、充電口を車両の側面から後面へ移し、並べて駐車した状態での充電を効率化するための移設。並べて駐車した状態での充電が効率的になる、という説明です。

EVバスの充電口が後面へ移る|車庫での並べ方は変わるのか。九州産交バスは、日野のブルーリボン Z EVを2台導入すると2025年11月18日に発表しました

側面の充電口だと、隣のバスとの間が窮屈になる

日野は具体的な車庫のレイアウトまでは示していません。ここからは筆者の見立てです。側面に充電口があると、バスを横に並べたときに隣との隙間へケーブルを引き回す必要が出ます。後面なら、車列の後ろ側に充電器を置いて、並べたまま充電できる形を作りやすくなるでしょう。

日野ブルーリボン Z EVの充電口のふたを開けた様子
充電口の開口部(メーカー公表写真)。 写真:日野自動車

九州産交バスは1台の充電器を2台で使う計画だった

九州産交バスは、日野のブルーリボン Z EVを2台導入すると2025年11月18日に発表しました。運行開始は2026年3月の予定で、120kWの急速充電器を2台で共用する計画も示されています。

1台の充電器を複数のバスで共用する運用では、充電口の位置が駐車の並べ方に直結するのです。充電口の移設は、こうした共用運用に効く改良と考えられます。

車庫で確認しておきたい3つのこと

  • 充電器から後面の充電口までケーブルが届く停車位置になっているか
  • 側面に充電口がある改良前の車両と、後面の改良後の車両を同じ車庫で混ぜて使うか
  • 充電中の車両の後ろを、人や他の車両が通らない動線になっているか

3つ目は筆者が付け足した観点です。後面にケーブルが出る分、車両の後ろの通行に影響が出る点は見落としがちでしょう。

充電口の位置は、車庫の図面を持って確認したいところ

改良で新設された寒冷地仕様オプション|プレヒーターの効果は数字待ちです

日野は、プレヒーター採用の寒冷地仕様オプションを新設し、暖房性能が高まって冬季の航続可能距離の改善にもつながると説明しています。ただし発表には、改善幅の数字が1つも載っていません。

改良で新設された寒冷地仕様オプション|プレヒーターの効果は数字待ちです。乗用のBEVでは、寒い時期の充電や航続への備えが改良の柱になることが増えています

公表されたのは方向だけで、航続距離の数字はない

代表車型の一充電走行距離360kmは、国土交通省の審査値で、寒冷地仕様を選んだ場合の数字でも冬の数字でもありません。寒冷地での実際の航続距離は、日野が数値を出すまで判断できない状況です。

乗用のBEVでは、寒い時期の充電や航続への備えが改良の柱になることが増えています。バッテリーの予熱を加えた事例は新型bZ4Xの改良2026|2025年の差分を全項目比較、改良度スコアは86.7点で整理しました。

バッテリーの温度管理を示した日野ブルーリボン Z EVのイメージ図
バッテリーの温度管理のイメージ(メーカー公表図)。 写真:日野自動車

兄弟車のいすゞ エルガEVは同じ内容を先に出していた

いすゞは2026年7月27日に、エルガEVで寒冷地仕様オプションの新設・充電口の左側面から後面への移設・EV識別ラベルの追加を発表しています。日野の改良は、この3項目と同じ内容です。

この2台は成り立ちからつながっています。日野が2022年2月28日に出した発表では、BEVフルフラット路線バスはジェイ・バスで生産し、開発はいすゞが担う計画でした。

同じ改良を、いすゞが3か月早く出し、日野が追いかけた形です。日野の調達担当は、いすゞ側の資料を読み比べる価値があります。ただし、いすゞの数値を日野の車にそのまま当てはめることはできません。

兄弟車の資料は、日野の数字が出るまでの補助線としては役に立つ

EV識別ラベルは保安基準改正への対応|性能を上げる改良ではありません

日野は、保安基準の一部改正に対応するため、車両の前面・側面・後面にEV識別ラベルを追加したと発表しています。これは義務への対応であり、走りや充電の性能を良くする話ではありません。

EV識別ラベルは保安基準改正への対応|性能を上げる改良ではありません。Car Watchも2026年10月28日に同じ内容を報じています

ラベルが付く位置は前・側・後の3面

位置は前面・側面・後面です。ラベルのデザインや大きさは、日野の発表では示されていません。

納入済みの車両の扱いは、発表では確認できなかった

すでに納入されている改良前の車両について、ラベルをどうするかは、発表の範囲では確認できませんでした。導入済みの事業者は、販売会社へ問い合わせるのが確実でしょう。

Car Watchも2026年10月28日に同じ内容を報じています。改良の中身は、報道と日野の発表で食い違いはありませんでした。

承認の対象は型式単位、というのは見落としやすい

改良後も変わらないEVバスの諸元|カタログ360kmの読み方

改良後の代表車型の一充電走行距離は360kmで、改良前と同じです。ただし日野の届出諸元PDFを見ると、この360kmは30km/hで走り続けた場合の値で、停留所での発進と停止を繰り返す路線運行とは条件が違います。

改良後も変わらないEVバスの諸元|カタログ360kmの読み方。改良後の代表車型の一充電走行距離は360kmで、改良前と同じです

360kmは30km/hの定地走行の値

日野の届出諸元PDFには、360kmが30km/hでの値として載っています。交流交流電力量消費率は30km/hで680Wh/kmです。この資料は改良前の型式ZAC-KV828L1のもので、2024年4月時点の内容でした。

日野ブルーリボン Z EVのバッテリーパックの配置
バッテリーパックの配置(メーカー公表図)。 写真:日野自動車

680Wh/kmから1日の電力使用量を逆算する

680Wh/kmを使って、1日の走行距離ごとの電力使用量を計算しました。1日150km走るなら約102kWhで、電池の総電力量242kWhの約42%を使う計算です。

1日の走行距離必要な電力量242kWhに対する割合
100km68kWh約28%
150km102kWh約42%
200km136kWh約56%
250km170kWh約70%

この表は筆者の計算で、日野の公表値ではありません。30km/hの定地値なので、発進・停止の多い路線や暖冷房を使う季節は、消費が増える前提で余裕を見る必要があります。電池の総電力量と実際に使える範囲の差は、日野が公表していません。

いすゞはJH25モードの値も並べている

いすゞのエルガEVの諸元表には、同じ242kWhと30km/hでの360kmに加えて、JH25モードの値が載っています。電力量消費率は934Wh/km、一充電走行距離は250kmで、後者は社内の計算値です。

250kmは360kmの約69%にあたります。日野が公開した資料の範囲では、JH25モードの値は確認できませんでした。電池とモーターが同じでも、日野の数字は日野に確認してください。

日野ブルーリボン Z EVの改良度スコアは8点/20点|4項目で採点

当サイトの基準で採点すると、今回の改良は8点/20点でした。数字が動いた項目がなく、機能の追加と法規対応が中心だったためです。

採点基準を先に開示します

4項目を各5点満点で採点しました。5点は公式資料で数値の改善が確認できるもの、3点は機能の追加は確認できるが数値が未公表のもの、2点は法規対応で必須のもの、0点は変化なしです。

項目点数根拠
走行性能(航続・出力・電池)0点/5点360km・250kW・242kWhが改良前と同じ
運用性(充電口の移設)3点/5点機能の変更は確認でき、効果の数値は未公表
寒冷地対応(プレヒーター)3点/5点オプション新設は確認でき、航続の数値は未公表
法規・識別(EV識別ラベル)2点/5点保安基準改正への対応で、必須の変更
合計8点/20点40%

数字が動かない改良は、悪い改良とは限りません

8点という低さは、改良が悪いという意味ではありません。出荷後に困りやすい寒冷地の暖房と充電まわりを手当てしており、運用に効く改良は、カタログの数字には現れにくいのです。

乗用BEVの改良を同じ考え方で採点した記事として、新型アリアのマイナーチェンジ全検証|改良度スコア23/35点で測った「買い替える価値」やレクサスRZの改良点まとめ|公式諸元表の差分で読む2025年の大幅改良【改良度スコア付】があります。数字が大きく動く改良と比べると、今回の位置づけがつかみやすいでしょう。

日野ブルーリボン Z EVの車内
フルフラットの車内(メーカー公表写真)。 写真:日野自動車

8点は低く見えるが、中身は運用寄りの改良なので納得できる

改良EVバスの導入前に確認する5点|型式の変更と補助金の扱い

導入を検討する事業者は、価格・納期・寒冷地仕様の数値・補助金の対象型式・充電設備の5点を、販売会社に確認する必要があります。代表車型の型式が改良前のZAC-KV828L1から、ZAC-KV828L1-F6JEへ変わった点には注意しておきましょう。

改良EVバスの導入前に確認する5点|型式の変更と補助金の扱い。自治体の補助では、国の補助事業で対象車両として登録された車であることが条件になる例があります

型式の末尾が変わったら、補助の対象かを確かめる

自治体の補助では、国の補助事業で対象車両として登録された車であることが条件になる例があります。京都市の案内には、その旨と型式ごとの基準額が示されていました。

改良後の型式が対象車両の一覧に載っているかは、公表資料では確認できませんでした。これは断定ではなく確認事項です。販売会社に、対象の登録状況と補助額の見込みを聞いてください。

販売会社に聞く5つの質問

聞く内容は価格・納期・寒冷地仕様・補助金・充電設備の5つに絞れます。

  • 価格:日野の発表に価格はなく、日本経済新聞の2026年10月27日の記事でも非公表とされています
  • 納期:出荷は11月初旬からで、事業者ごとの納入時期は個別に確認します
  • 寒冷地仕様:プレヒーターの効果と、オプションの価格・重量・設定条件
  • 補助金:改良後の型式が対象車両として登録されているか
  • 充電設備:後面の充電口に合う充電器と停車位置の組み合わせ

バス本体は下取りの対象になりません。ただ、事業所の営業車や送迎用の乗用車を同じ時期に入れ替えるなら、先に今の車の査定額を知っておくと予算が組みやすくなります。

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よくある質問

日野ブルーリボン Z EVの改良はいつから反映されますか?

日野は11月初旬から出荷を始めると発表しています。事業者ごとの納入時期は個別の商談で決まるため、販売会社への確認が必要です。

日野ブルーリボン Z EVの改良で航続距離は伸びましたか?

代表車型の一充電走行距離は改良前と同じ360kmです。寒冷地仕様のオプションで冬季の航続可能距離の改善に寄与するとされていますが、数値は公表されていません。

日野ブルーリボン Z EVの改良後の価格はいくらですか?

日野の発表に価格は載っておらず、日本経済新聞も非公表と報じています。価格は販売会社に問い合わせてください。

日野ブルーリボン Z EVの寒冷地仕様オプションとは何ですか?

プレヒーターを採用したオプションで、暖房性能の向上と冬季の航続可能距離の改善に寄与すると日野は説明しています。改善幅の数字は公表されていません。

日野ブルーリボン Z EVの充電口はどこに移りましたか?

車両の側面から後面へ移されました。並べて駐車した状態での充電を効率化する目的だと説明されています。

日野ブルーリボン Z EVの改良は、すでに導入した車両に適用できますか?

日野の発表では、導入済みの車両への対応は確認できませんでした。ラベルの扱いなどは販売会社に確認してください。

日野ブルーリボン Z EVといすゞのエルガEVは何が違いますか?

改良内容は同じ3項目です。いすゞは諸元表にJH25モードの値を載せていますが、日野の公開資料の範囲では確認できませんでした。

日野ブルーリボン Z EVの改良後も補助金は使えますか?

制度ごとに、対象車両として登録された型式であることが条件になる例があります。型式がZAC-KV828L1-F6JEに変わったため、対象かどうかを販売会社に確認してください。

まとめ|改良は3点で、数字が動かなかった分は確認が仕事になります

日野ブルーリボン Z EVの改良は、寒冷地仕様の新設・充電口の後面移設・EV識別ラベルの追加の3点でした。航続距離や出力は改良前のままで、価格と寒冷地の数値は未公表です。

乗用車の査定や売却を調べるときはMOTA車買取の評判と使い方も参考になります。バスの調達とは別の話ですが、営業車の入れ替えを同時に考える事業者には役に立つでしょう。

持ち帰りポイント
改良は運用に効く3点で、諸元は不変です。360kmは30km/h定地の値なので、自社の路線では余裕を見て計画します。

次の一歩
販売会社に、価格・寒冷地仕様の数値・補助対象の型式の3つを問い合わせましょう。

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