2025年7月18日(日本時間)、スバルが待望の新型バッテリーEV「アンチャーテッド(UNCHARTED)」を米国ニューヨークで世界初公開しました。トヨタとの共同開発によるこの新型コンパクトSUVは、スバルのEVラインナップにおける第3の矢として、ブランドの未来を切り拓く戦略的モデルです。最大338馬力という驚異的なパワー、未来的なデザイン、そしてスバルならではの実用性を兼ね備えた新型アンチャーテッドのすべてを、どこよりも詳しく、そして分かりやすく徹底解説します。
この記事で分かること:
- スバルの新型コンパクトEV SUVがデビュー
- トヨタC-HRと共同開発された兄弟車
- 最大338馬力のパワフルなAWDモデル
- 航続距離482km超のFWDモデルも設定
- 斬新な6連ヘッドランプとオレンジ内装
- 米国で2026年初頭発売、日本導入は未定
2025年7月18日スバルは新型EV「アンチャーテッド」を世界初公開。トヨタと共同開発したコンパクトSUVで、最大338馬力のAWDモデルと航続距離482km超のFWDモデルを設定。米国では2026年初頭に発売予定、日本導入は現時点で未定。
スバル新型アンチャーテッドとは?2026年発売予定の次世代EVコンパクトSUV

新型アンチャーテッドは、スバルのグローバルEV戦略において、既存の「ソルテラ」、そして今後登場する「トレイルシーカー」に続く第3弾のモデルです。ソルテラよりも一回りコンパクトなサイズ感で、日常の取り回しの良さと、EVならではの卓越した走行性能を両立させています。「アンチャーテッド(UNCHARTED)」という車名は、「地図に載っていない、未知の」という意味を持ち、オーナーがこのクルマと共に、今まで行ったことのない場所へも気軽に出かけ、自身の世界を広げてほしいというスバルの強い想いが込められています。
トヨタとの共同開発で実現したスバルらしさ
このアンチャーテッドは、スバルの最初のEVであるソルテラと同様に、トヨタ自動車との共同開発によって誕生しました。具体的には、トヨタがグローバルで展開する新型「C-HR」のEVモデルとプラットフォームや基本コンポーネントを共有する兄弟車の関係にあたります。しかし、単なるバッジ違いのモデルではありません。エクステリアデザインや足回りのチューニング、そしてAWD制御など、随所にスバルが長年培ってきた技術や知見が注ぎ込まれており、「スバルが作るEV」としての個性が明確に表現されています。

新型アンチャーテッドのデザイン解説!6連ヘッドランプとオレンジ内装の魅力
新型アンチャーテッドのデザインは、先進性とスバルらしいタフネスが見事に融合した仕上がりとなっています。クリーンでシームレスな面構成の中に、力強いアクセントが加えられ、見る者に強烈な印象を与えます。フロントフェイスの最大の特徴は、ソルテラやトレイルシーカーとも共通のデザイン言語を持つ、斬新な6つの灯体を備えたヘッドランプです。
エクステリア:未来感とタフネスの融合

フロントフェイスには斬新な6つの灯体を備えたヘッドランプが配置され、中央にはスバルのアイデンティティである六連星(むつらぼし)のエンブレムがイルミネーションで光り輝きます。サイドから見ると、後方に向かってなだらかに傾斜するルーフラインが美しい、クーペとSUVを融合させたクロスオーバースタイルが際立ちます。ホイールアーチやボディ下部には、兄弟車であるC-HRよりも厚みのあるブラックのクラッディングが施され、スバル車ならではのアクティブで頑丈な印象を与えています。
インテリア:アクティブさと上質感の両立

インテリアは、先進的な機能性とスバルらしいアクティブな雰囲気が同居する、居心地の良い空間に仕上げられています。インパネはすっきりとした水平基調のデザインで、アンチャーテッド専用に施された鮮やかなオレンジ色の加飾が特徴的です。このアクセントカラーが、車内にアクティブでスポーティな雰囲気をもたらしています。インパネ中央には、なんと14インチの大型タッチスクリーンが全グレードに標準装備されます。

アンチャーテッドの走行性能とスペック!338馬力AWDと482km航続FWD
新型アンチャーテッドの真骨頂は、その見た目だけでなく、中身にあります。EVならではの圧倒的な加速性能と、実用的な航続距離を両立したパワートレインは、大きな注目点です。ユーザーのニーズに合わせて選べる2種類のパワートレインが用意されています。
駆動方式 | グレード | モーター | 最大出力 | 0-60mph加速 | 航続距離 |
---|---|---|---|---|---|
Symmetrical AWD | Sport, GT | デュアルモーター(前後) | 338 hp (約343 PS) | 5秒未満 | 最大290マイル(約466km) |
FWD | Premium FWD | シングルモーター(前) | 221 hp (約224 PS) | – | 300マイル(約482km)以上 |
バッテリーと充電性能:NACS対応で利便性向上
全モデル共通で、74.7kWhの大容量リチウムイオンバッテリーを搭載。充電ポートには、テスラが主導するNACS(北米充電規格)を標準採用しています。これにより、全米15,000箇所以上のテスラ・スーパーチャージャーステーションが利用可能となり、長距離移動の際の利便性が大幅に向上します。急速充電性能も高く、バッテリー残量10%から80%までを約30分で完了。さらに、寒冷地での充電効率低下を防ぐバッテリー予熱システム(プレコンディショニング)も搭載されており、季節を問わず安定した充電性能を発揮します。
スバル独自の走行技術:X-MODEとAWD制御
AWDモデルには、スバルが誇る悪路走破技術「X-MODE」を搭載。新たなAWD制御と、スバル専用にチューニングされたサスペンション、電動パワーステアリングにより、オンロードでのリニアで伸びのある加速と、オフロードでの高い走破性を両立。ドライバーが意のままに操れる、スバルらしい走りの楽しさを実現しています。特筆すべきは、AWDモデルの338馬力というハイパワーで、これはスバルのスポーツセダンWRXにも匹敵するほどの数値です。

新型アンチャーテッドの安全装備と実用性!最新アイサイトとコンパクトサイズの魅力
安全性能においても、スバルは一切の妥協を許しません。先進運転支援システム「アイサイトスイート」が全グレードに標準装備されます。新型アンチャーテッドは、兄貴分であるソルテラと比較して全長が約7インチ(約170mm~180mm)短く設定されており、都市部での運転や駐車がしやすい、優れた取り回し性能を実現しています。

先進安全技術:アイサイトスイートの充実機能
- プリクラッシュブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)
- フロントクロストラフィックアラート(前方交差車両警報)
- ブラインドスポットモニター(後側方警戒支援システム)
- 車線逸脱警報
- エマージェンシーストップアシスト(緊急停止支援)
- アドバンスドアダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付クルーズコントロール)
さらに、上位グレードではパノラミックビューモニターや、渋滞時に運転負荷を軽減するトラフィックジャムアシストなども利用可能です。
実用性とサイズ感:クロストレック並みの居住性
コンパクトなボディサイズながら、後部座席はスバルの人気SUV「クロストレック」に匹敵する十分な足元スペースを確保しており、快適性にも配慮されています。

2列目シートの後ろには25立方フィート(約708リットル)以上という、十分なカーゴスペースを確保。日常の買い物から週末のアウトドアレジャーまで、幅広いシーンで活躍する積載能力を備えています。AWDモデルにはルーフレールも標準装備され、さらに多くの荷物を積むことが可能です。
アンチャーテッドの競合車比較と市場分析!トヨタC-HR・日産アリアとの違い
新型アンチャーテッドは、競争の激しいコンパクトEV SUV市場に投入されます。最も直接的なライバルは、プラットフォームを共有するトヨタの新型C-HR EVです。

パワートレインやバッテリーなどの基本コンポーネントは共通ですが、デザインやAWDシステムに明確な違いがあります。
比較項目 | スバル アンチャーテッド | トヨタ C-HR EV | 日産 アリア |
---|---|---|---|
最大出力(AWD) | 338 hp | 338 hp | 394 hp |
航続距離 | 482km(FWD) | 未発表 | 470km |
AWDシステム | X-MODE搭載 | 標準AWD | e-4ORCE |
ブランド特徴 | 安全・走り・タフネス | 先進性・信頼性 | 上質・滑らか |
兄弟車対決:トヨタC-HR EVとの差別化ポイント
- デザイン:アンチャーテッドはよりタフでアクティブなエクステリア、オレンジのアクセントが特徴的なインテリア
- AWDシステム:アンチャーテッドはスバル独自の「X-MODE」を搭載し、悪路走破性を追求
- ブランドイメージ:「安全と走りのスバル」というブランドイメージが選択の決め手
国内EV SUV対決では、日産アリアや、今後導入が期待されるホンダ プロローグなどがライバルとなります。アリアは上質な内外装と滑らかな走りが魅力ですが、アンチャーテッドはよりスポーティな走行性能とスバルらしいタフネスで差別化を図ることになるでしょう。
新型アンチャーテッドの発売日と価格予想!日本導入の可能性を徹底分析

新型アンチャーテッドは、2026年初頭に米国市場で発売される予定です。正式な価格はまだ発表されていませんが、海外メディアの報道では、競合モデルを意識した戦略的な価格設定が予想されています。現時点で、日本市場への導入は公式には発表されていませんが、期待の声は非常に高まっています。
グレード | 駆動方式 | 予想価格(米国) | 予想価格(日本) | 主な特徴・装備 |
---|---|---|---|---|
Premium | FWD | 3万ドル台前半 | 約450万円~ | エントリーモデル。価格と航続距離を重視。台数限定。 |
Sport | AWD | 3万ドル台後半 | 約550万円~ | スタンダードなAWDモデル。ヒーテッドステアリングホイール、StarTex撥水シート、360度カメラなど。 |
GT | AWD | 4万ドル台前半 | 約650万円~ | 最上級モデル。パノラマガラスルーフ、20インチホイール、ベンチレーション付きフロントシート、Harman Kardonオーディオなど。 |
日本市場導入の可能性:専門家の見解と期待
兄弟車であるトヨタC-HRが日本でも人気のモデルであることや、日本の道路事情に適したコンパクトなボディサイズであることから、導入を期待する声は非常に大きいです。一部報道では、米国に続き日本や欧州でも発売予定とされていますが、これはまだ確定情報ではありません。発表直後から、SNSでは世界中のクルマ好きから大きな反響が寄せられており、特に日本導入を熱望する声が数多く上がっています。
まとめ:新型アンチャーテッドはスバルEV戦略の重要な一手

新型アンチャーテッドは、単なる新型車ではありません。トヨタとのアライアンスを最大限に活用しつつ、スバルらしさを追求した、ブランドの電動化戦略を加速させる重要なモデルです。圧倒的なパフォーマンスを秘めたAWDモデルと、実用的な航続距離を持つFWDモデルという二つの選択肢を用意することで、より幅広いユーザー層にアピールしようという意図が見えます。
斬新なデザイン、先進的なインテリア、そしてスバルが誇る安全性能と走りのDNA。そのすべてが凝縮された新型アンチャーテッドが、世界のEV市場、そしていつか日本の道で、新たな冒険の地図を描き始める日が待ち遠しくてなりません。関連銘柄のSUBARU (7270)とトヨタ自動車 (7203)の今後の動向にも注目が集まります。