アクアの維持費とは、自動車税・自賠責保険・燃料費のように毎年必ず発生する費用の合計を指します。
金額を確定できる項目だけを積み上げると、新型アクアの年間維持費は64,561円から124,780円です。自動車税30,500円と自賠責の年割9,280円は全型式で同額のため、差がつくのは燃料費だけ。E-Fourの上乗せ214,500円を燃料費で回収するには、年間10,000kmの条件で約35年かかる計算になります。
この記事のポイント
- 固定費は全型式39,780円
- 差がつくのは燃料費だけ
- 新車時の重量税は0円
- E-Fourの回収は約35年
- 5年総額で順位が入れ替わる
公開日:2026年9月7日 / 最終更新日:2026年9月18日
新型アクアの年間維持費は64,561〜124,780円|金額を置ける項目だけを積みます

維持費の記事で最初にやるべきは、金額を確定できる項目と、できない項目を分けることです。アクアの場合、自動車税と自賠責と燃料費は根拠つきで置けますし、自動車重量税も新車登録時は0円と確定できました。断定できないのは任意保険料と車検基本料の2つだけ。切り分けから始めます。
置ける項目と置けない項目|先に線を引いておきます
本記事が年間維持費に計上したのは3項目だけです。自動車税(旧・種別割)30,500円、自賠責保険の1年あたり9,280円、そして走行距離に応じた燃料費。この3つ以外は積んでいません。除外した理由も一つずつ書きます。
| 項目 | 本記事での扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 自動車税(旧・種別割) | 30,500円で計上 | 総排気量1.490Lで区分が確定 |
| 自賠責保険 | 年9,280円で計上 | 24か月契約の改定後料率を年割 |
| 燃料費 | 距離別に計上 | WLTC値と全国平均単価で計算可能 |
| 自動車重量税 | 新車登録時は0円 | 公式一覧で全グレード100%減税 |
| 任意保険料 | 金額を置かない | 年齢・等級・条件で変動 |
| 車検基本料・消耗品費 | 金額を置かない | 店舗ごとに設定が異なる |
表の通り、金額を置かない項目は2つに絞れました。ここを平均値でざっくり埋めてしまうと、合計額はそれらしくなる代わりに検証できない数字になる。当サイトは「合計を作ること」より「一つずつ根拠を示すこと」を優先しました。置けなかった項目の確かめ方は、記事の後半でまとめて手順にしています。

埋められない欄を平均値で埋めた瞬間、その表は検証できなくなります
グレード・駆動別×走行距離別の年間維持費|固定費は全型式39,780円で同額
アクアのWLTCは34.3km/L(X 2WD)から30.0km/L(E-Four 全グレード)までの幅に収まり、計算の骨格自体はシンプル。固定費39,780円(自動車税30,500円+自賠責の年割9,280円)に、年間走行距離÷WLTC燃費×170.0円/Lで求めた燃料費を足すだけ。アクアは全型式が同じ排気量区分に入るので、固定費の39,780円はX 2WDでもGR SPORTでも変わりません。
| 型式(WLTC) | 年5,000km | 年10,000km | 年15,000km |
|---|---|---|---|
| X 2WD(34.3km/L) | 64,561円 | 89,342円 | 114,124円 |
| Z・G・U 2WD(33.6km/L) | 65,078円 | 90,375円 | 115,673円 |
| Z 2WD+16インチ(32.0km/L) | 66,343円 | 92,905円 | 119,468円 |
| GR SPORT(30.7km/L) | 67,467円 | 95,155円 | 122,842円 |
| E-Four全車(30.0km/L) | 68,113円 | 96,447円 | 124,780円 |
表のとおり、最も安いのはX 2WDを年5,000km走る64,561円、最も高いのはE-Fourを年15,000km走る124,780円です。アクアの維持費は、グレードよりも「どれだけ走るか」で決まります。年5,000kmと年15,000kmの差は、同じX 2WDでも49,563円。グレード間の最大差より1桁大きい幅になっています。
最大差60,219円の中身|固定費が同額だから、差はすべて燃料費です
表の最安値と最高値の差は124,780−64,561=60,219円。この60,219円の内訳を分解すると、興味深いことが分かります。燃料費の差だけで85,000−24,781=60,219円。つまり差額の100%が燃料費で、固定費の寄与はゼロです。
- 自動車税の差:0円
- 自賠責の差:0円
- 燃料費の差:60,219円
ここがアクアの構造的な特徴です。排気量が1.490Lの1本しかなく、車両重量も全型式が同じ税区分に収まるため、固定費で差がつく余地がない。維持費を下げたいなら、グレードを落とすより走行距離そのものを見直すほうが効きます。グレード別のWLTC値と燃料費の詳細は新型アクアの燃費|カタログ値と実燃費の距離を数字で測るで分解しました。

内訳を1項目ずつ|出典と時点をつけて根拠を開示します

合計額だけを示す表は検証できません。ここでは計上した3項目と、計上しなかった環境性能割・リサイクル料金について、それぞれの出典と基準時点を明記します。金額が動く可能性のある項目には、いつ動くのかも添えました。
自動車税は年額30,500円|総排気量1.490Lで全グレード同額です
アクアの総排気量は1.490Lで、これはX 2WDからGR SPORTまで共通の値です。自動車税(旧・種別割)は総排気量1.490Lで1,000cc超1,500cc以下の区分に入り、年額30,500円になります(総務省の自動車税制の説明・2019年10月1日以降に初回新規登録した自家用乗用車の税額)。自動車税はアクアの全グレードで同額です。
もう1点、誤解されやすい制度があります。グリーン化特例の対象は電気自動車・燃料電池自動車・プラグインハイブリッド車・天然ガス自動車で、アクアは対象外。ハイブリッド車だから自動車税が安くなる、という仕組みは現行制度にありません。同じくCEV補助金の対象もEV・PHEV・FCEV等で、ハイブリッドのアクアは対象外です(トヨタ公式のエコカー減税・環境性能割・グリーン化特例の解説)。
自賠責は2026年11月1日から改定|新車時の37か月は25,180円
自賠責保険の基準料率が2026年秋に改定される予定。自家用乗用自動車の自賠責保険は24か月が17,650円から18,560円へ、36か月が23,690円から24,690円へ改定されます。新料率は2026年11月1日以降に保険期間が始まる契約に適用されると、損害保険料率算出機構が公表しました。本記事の年9,280円は、改定後の24か月18,560円を2で割った値です。
ただしここに落とし穴があります。新車新規登録時に必要なのは24か月ではなく37か月ぶんで、現行24,190円、2026年11月1日以降始期は25,180円。改定を告知するリリースが載せているのは24か月と36か月の代表例だけなので、37か月は同機構の基準料率表そのものを開かないと出てきません。新車の見積もりを見るときは、自賠責の欄が37か月ぶんになっているかを確認してください。24か月の金額を新車購入時の目安に流用すると、その時点で見積もりがずれます。乗り出し価格の積み上げ方は新型アクアの見積もり|乗り出し価格を1円単位で積み上げるで扱いました。


37か月という契約期間は、新車の見積書でいちばん見落とされる欄です
環境性能割は0円・リサイクル料金は11,010円|兄弟車の金額と混ざりやすい
初期費用側で2つ、確定している数字があります。環境性能割は令和8年3月31日をもって廃止され、登録日が令和8年4月1日以降は課税されません。そしてリサイクル料金は合計11,010円(’26年7月時点)です。リサイクル料金の内訳はシュレッダーダスト料金7,790円、エアバッグ類料金2,800円、情報管理料金130円、資金管理料金290円で、合計が1円単位で一致することを公式の環境仕様PDFで確認しました。
注意したいのは兄弟車との混同。同じトヨタのコンパクトカーでも、ヤリスのリサイクル料金は9,740円で、アクアより1,270円安い設定。ネット上の見積もりテンプレートを流用すると、この1,270円がそのまま誤差として残ります。金額そのものは小さいものの、車種を取り違えた表を使っている記事かどうかの判定材料にはなるはずです。
燃料単価は170.0円/L|週次で動くので時点をセットで書きます
燃料費の計算に使った単価の出所です。レギュラーガソリンの全国平均は170.0円/L(2026年8月31日調査・9月2日発表)で、前週比プラス0.1円の2週連続値上がりでした(資源エネルギー庁の石油製品価格調査/グーネットの報道)。アクアの使用燃料は無鉛レギュラーガソリンです。
この調査は毎週更新されるため、本記事の燃料費も単価が動けば連動します。仮に単価が10円上がれば、年間10,000km・34.3km/Lの条件で燃料費は約2,915円増える計算。維持費の表を比べるときは、合計額より先に「燃料単価はいくらで、いつの値か」を見比べたほうが速い。時点が書かれていない表は、そもそも比較の対象になりません。
自動車重量税は新車登録時0円|重量区分も減税区分も全型式で1つです

アクアの自動車重量税は、重量区分も減税区分もグレードで割れません。公式諸元表で重量区分が1つに収まり、トヨタ公式の優遇額一覧で全グレードが100%減税と示されているためです。順に根拠を出します。
車両重量1,120〜1,250kg|全型式が1つの区分に収まります
まず確定している部分から。アクアの車両重量は1,120〜1,250kgで、全型式が1.0t超1.5t以下の区分に入ります(公式の主要諸元表・’26年7月現在)。X 2WDが1,120kg、G・U 2WDが1,130kg、Z 2WDが1,150kg、GR SPORTが1,160kg、E-Fourが1,220kg以上という並びです。
これは意外と重要な事実です。アクアの中でグレードを変えても、重量税の重量区分がまたがることはありません。同じトヨタでもヤリスは1トンの境界を車種の中でまたぐため、グレード次第で区分が変わります。アクアではその心配が不要という点は、比較検討している方にとって判断材料になるはず。オプションの追加で重量が増えても、E-Fourの上限1,250kgが1.5tにはるかに届かないためです。
エコカー減税の現行基準|2027年5月1日に引き上げられます
制度側の期限も押さえておきましょう。エコカー減税(自動車重量税)の現行基準は令和8年5月1日から令和10年4月30日までに新車新規検査を受ける場合に適用され、基準は2027年5月1日に引き上げられます(国税庁「自動車重量税のエコカー減税」令和8年4月改訂/JAMAのエコカー減税解説)。
乗用車の軽減区分は、免税が2030年度燃費基準105%達成かつ2020年度基準達成、75%軽減が2030年度基準達成かつ2020年度基準達成、以下50%軽減・25%軽減と続きます。つまり軽減の有無は燃費基準の達成率で決まる仕組みで、アクアは全型式が最上段の免税枠に入っている。その根拠を次に示します。
グレード別の区分は全型式100%|公式一覧で確認できます
ここが本章の結論です。トヨタ公式のアクア 減税・補助金ページにある「グレード別優遇額一覧」を開くと、X・G・Z・U・GR SPORT、さらにフレンドマチック取付用専用車まで全グレードがエコカー減税100%・優遇額約22,500円で、納める重量税は0円と並んでいます。ただしこの特例は新車新規登録時の1回限りで、次回以降の車検では通常どおり課税される点だけは押さえておきたい。
- 公式サイトの減税ページを開く
- 検討グレードと駆動方式を選ぶ
- 見積書の重量税欄が0円かを見る
この3ステップなら、公式の表と見積書を1分で突き合わせられます。アクアの場合はどの型式を選んでも新車時の重量税が0円なので、グレード比較の材料にはなりません。逆に言えば、見積書の重量税欄に金額が入っていたら、登録時期や車種の取り違えを疑う手がかりになるでしょう。
E-Fourの214,500円は燃料費で回収できるか|前提を全部開示して検算します

4WDを選ぶかどうかは、アクアの購入で最も金額が動く分岐です。E-Fourの上乗せは全グレード一律214,500円。この差額を燃料費の増減で語れるのかを、前提を全部開示したうえで検算します。結論から書くと、回収できません。
年間燃料費の差は6,072円|10,000km・170.0円/Lのときの数字です
まず差額を出します。E-FourのWLTCは全グレード30.0km/L、Z・G・U 2WDは33.6km/L。年間10,000km・170.0円/Lで計算すると、E-Fourが10,000÷30.0×170.0=約56,667円、2WDが10,000÷33.6×170.0=約50,595円。差は年6,072円で、X 2WD(34.3km/L)を基準にすると年7,105円になります。
この6,072円という数字、月あたりに直すと約506円です。4WDを選ぶことで増える燃料費は、コンビニのコーヒー数杯ぶんという水準にすぎません。「4WDは燃費が悪いから維持費がかかる」という一般論は、少なくともアクアの年間走行10,000kmという条件では大げさな表現になります。
回収に約35年|走行距離を15,000kmに伸ばしても約24年
では車両価格差のほうはどうか。214,500円を年6,072円で割ると35.3、つまりE-Fourの上乗せを燃料費の差だけで取り戻すには約35年かかる計算になります。X基準の年7,105円で割っても約30年。年間走行距離を15,000kmまで伸ばすと燃料費差は年9,107円になりますが、それでも回収には約24年です。
| 比較の前提 | 年間燃料費差 | 214,500円の回収年数 |
|---|---|---|
| Z・G・U基準・年10,000km | 6,072円 | 約35年 |
| X基準・年10,000km | 7,105円 | 約30年 |
| Z・G・U基準・年15,000km | 9,107円 | 約24年 |
表のどの条件でも、一般的な保有期間を大きく超えています。E-Fourの追加コストは、走り方をどう変えてもランニングでは埋まらない。裏を返せば、判断軸を「燃費が落ちるかどうか」から「降雪地で走るかどうか」に単純化してよいということでもあります。年に数回でも雪道を走るなら、214,500円は保険料として理解したほうが納得しやすいでしょう。

4WDの是非は、燃費ではなく走る場所で決めてしまってよいと思います
寒冷地仕様16,500円は上乗せ額に含まれている|実質的な負担は変わらないという読み替え
ここで1つ、上乗せ額の見え方が変わる事実があります。2026年7月6日の一部改良で、E-Four全車に寒冷地仕様が標準装備されました(トヨタのニュースリリース)。寒冷地仕様(2WD)は16,500円のメーカーオプションですから、E-Fourの214,500円にはその16,500円ぶんが最初から含まれている計算になります。
この16,500円を差し引けば、純粋に四輪駆動化のために払っている金額はもっと小さくなります。改良前の上乗せ額と並べても、装備が増えたぶんだけ価格が上がっただけ、という読み方もできるでしょう。「値上げされた」と受け取るか「オプションが標準になった」と受け取るかで、同じ数字の意味が変わる場面です。雪国で寒冷地仕様を追加するつもりだった方にとっては、実質的な負担は変わっていないと言えるでしょう。
5年総額で並べ替える|車両価格を足すと順位が入れ替わります

年間の維持費だけを見ていると、グレード選びの判断はつきません。車両価格と合わせた5年総額で並べ直すと、カタログの価格順とは違う順位が出てきます。ここでは年間10,000kmを前提に、7つの型式を並べ替えました。
維持費だけの5年総額は322,805〜623,900円
まず維持費単体の5年総額から。年間額を5倍しただけの単純計算です。最も少ないのはX 2WDで年5,000kmの322,805円、最も多いのはE-Fourで年15,000kmの623,900円。開きは301,095円になります。年10,000kmの条件なら、X 2WDが446,710円、Z・G・U 2WDが451,875円、E-Fourが482,235円です。
この5年総額には、車検基本料も任意保険も入っていません。実際の支出はこれより確実に多くなります。ここで示しているのは「型式を変えたときに何円動くか」であって、「5年でいくら必要か」ではないという点は強調しておきたい。絶対額ではなく相対差を読む表として使ってください。
車両価格+5年維持費|X E-FourよりG 2WDのほうが54,560円安い
車両本体価格を足すと、順位が動きます。年間10,000kmの5年維持費を各型式の価格に加算した結果が下の表です。X E-Fourの3,193,735円に対してG 2WDは3,139,175円。上位グレードの2WDのほうが、下位グレードの4WDより54,560円安く収まります。
| 型式 | 車両本体価格 | 5年維持費(年10,000km) | 合計 |
|---|---|---|---|
| X 2WD | 2,497,000円 | 446,710円 | 2,943,710円 |
| G 2WD | 2,687,300円 | 451,875円 | 3,139,175円 |
| X E-Four | 2,711,500円 | 482,235円 | 3,193,735円 |
| Z 2WD | 2,857,800円 | 451,875円 | 3,309,675円 |
| G E-Four | 2,901,800円 | 482,235円 | 3,384,035円 |
| Z E-Four | 3,072,300円 | 482,235円 | 3,554,535円 |
| GR SPORT | 3,238,400円 | 475,775円 | 3,714,175円 |
念のため車両価格の出どころも書いておくと、一般販売は2,497,000円〜3,238,400円。内訳はXが2,497,000円(2WD)/2,711,500円(E-Four)、Gが2,687,300円(2WD)/2,901,800円(E-Four)、Zが2,857,800円(2WD)/3,072,300円(E-Four)、GR SPORTが3,238,400円という並びです。E-Four(4WD)はX・G・Z・Uに設定、GR SPORTは2WDのみという構成になります。
表から読める判断はこうです。5年で見るなら、装備を1段上げる(X→G)よりも駆動方式を上げる(X 2WD→X E-Four)ほうが高くつく。4WDが必要ないなら、その予算をグレードに回したほうが満足度は上がりやすいはずです。ちなみにGR SPORTは燃費が30.7km/Lと低めながら、E-Fourより維持費が6,460円少なく収まります。差が出ているのは車両価格のほうだけ。

5年総額で並べると、価格表の順番とは違う地図が見えてきます
リサイクル料金11,010円は初期費用|5年総額の外側にあります
上の表に含めなかった費用が1つあります。リサイクル料金11,010円は新車購入時に一度だけ預託する費用で、毎年発生する維持費ではありません。廃車時に使われる預託金なので、途中で売却した場合は次のオーナーから返ってくる性質のもの。年間維持費の欄に毎年11,010円を積んでいる表があれば、それは計上方法を間違えています。
同様に環境性能割も0円ですから、初期費用側で計上する必要はありません。2026年4月1日以降に登録するアクアには、この税金がかからない。2026年3月以前の見積もり例を参考にしている記事だと、ここに数万円が計上されたままになっている可能性があります。日付を確認する癖をつけておくと安全です。
金額を置かなかった項目と、支出しない価値|AC100V・1500Wを維持費の文脈で見る

ここまで積んでこなかった費用について、なぜ置けないのかを説明します。あわせて、アクアが全車標準で持っている装備が「支出しない価値」としてどう効くのかも整理しました。維持費は出ていくお金だけの話ではありません。
任意保険・車検基本料・消耗品費は一律の目安を出せません
この3つを本記事が金額化しなかった理由は共通しています。任意保険料・車検基本料・消耗品費は一律の目安を出せないため、当サイトは数字を置きませんでした。任意保険は年齢・等級・運転者限定・車両保険の有無で倍近く変わりますし、車検基本料はディーラーと整備工場で設定そのものが違います。
- 任意保険:等級と条件で変動
- 車検基本料:店舗ごとに設定
- 消耗品費:走り方と交換周期次第
代わりにおすすめしたいのは、いま乗っている車の実績値を持ち込む方法です。前年の保険証券と車検の明細を出せば、自分の条件での金額はすぐ分かる。他人の平均より、自分の去年の数字のほうが精度は高い。アクアは排気量も重量区分も1つですから、車種が変わっても保険料の車両料率クラス以外は大きく動きません。
タイヤは16インチと17インチで条件が変わる|交換時の実勢価格は未取得です
交換時のタイヤ代も置けなかった項目の1つです。公式諸元表から確認できるのは、Zのオプションが195/55R16タイヤ&16×6Jアルミホイール、GR SPORTが205/45R17タイヤと専用17×7Jアルミホイールという組み合わせだという点まで。銘柄と時期で実勢価格が大きく振れるため、交換費用の目安は本記事では示しません。
ただし方向性は書けます。一般にインチが上がるほどタイヤの価格帯は上がり、選べる銘柄も限られてくる。GR SPORTを検討している方は、車両価格差380,600円とは別に、交換時のタイヤ代も上振れする前提で考えておいたほうがいい。なお購入時の追加費用のほうは公式に価格が出ていて、195/55R16タイヤ&16×6JアルミホイールはZ(2WD)専用のメーカーオプションで39,600円。グレードごとの装備差は新型アクアのグレード比較|X・G・Z・GR SPORTの差を装備で分解するで確認できます。

全車標準のAC100V・1500W|停電時に別の出費を作らないという価値
維持費の話で見落とされがちなのが、装備が別の支出を肩代わりする側面です。アクセサリーコンセント(AC100V・1500W/1個/非常時給電システム付)は全グレード標準装備で、Xでも同じ機能が使えます。2021年7月19日の発売時から一貫して全車標準という位置づけです(2代目アクア発売時のトヨタ公式発表)。
停電時に家電を動かせる手段を車が持っているなら、そのための機器を別に買う必要はありません。「上位グレードだけの装備」ではないので、非常時の備えを理由にグレードを上げる必要もない。ただし正直に書くと、燃料タンク容量36Lの状態から実際に何時間の給電ができるのかというトヨタの公表値は、本調査では確認できませんでした。使用する家電の消費電力で大きく変わる以上、時間の目安を勝手に置くことはしません。

最廉価のXでも非常時給電が使える。ここは素直に強みだと思います
5年後の出口|残価率の公開データが無いので、査定で測るしかありません
保有コストの最後のピースは売却額です。ところがアクアの残価率を示した承認ソースは確認できていません。参考になるのはMOTAの車種カタログで、MOTAの買取価格はグレード別で7万円から209万円という幅です。ただしこの買取価格は2024年9月から2025年2月の全国オークション実績にもとづく集計で、現在の相場ではありません。
1年半前の集計値を「いまの価値」として使うわけにはいかないので、実際の金額は査定で測るのが確実です。5年総額を本気で下げたいなら、購入時の値引きより売却時の差額のほうが動く幅は大きい。どんな流れでいくらの査定額が出るのかは、MOTA買取りを利用したガチのレビューで申し込みから金額提示までを公開しています。中古車の掲載台数は6,828台、中古価格帯は23万円から378万円(取得日2026年9月6日)ですから、流通量そのものは十分にある車種です。

よくある質問
維持費まわりで多い疑問に、2026年9月7日時点で当サイトが確認できた範囲だけで回答します。金額を断定できない項目は、その理由もあわせて書きました。
- 新型アクアの年間維持費はいくらですか?
-
金額を確定できる項目だけで64,561円から124,780円です。内訳は自動車税30,500円、自賠責の年割9,280円、そして走行距離に応じた燃料費の3つ。新車登録時の重量税は0円なので加算がなく、任意保険料・車検基本料・消耗品費はこの合計に含めていません。実際の支出はこの金額より多くなる前提で見てください。
- アクアの自動車税は年いくらですか?
-
年額30,500円です。総排気量1.490Lで1,000cc超1,500cc以下の区分に入り、2019年10月1日以降に初回新規登録した自家用乗用車の税額が適用されます。自動車税はアクアの全グレードで同額なので、X・G・Z・GR SPORT・KINTO専用のUで違いはありません。グリーン化特例の対象外である点も押さえておきたいところ。
- アクアの自動車重量税はいくらになりますか?
-
新車新規登録時は0円になります。車両重量1,120〜1,250kgで全型式が1.0t超1.5t以下の区分に収まり、トヨタ公式の「グレード別優遇額一覧」でも全グレードがエコカー減税100%・優遇額約22,500円と示されているためです。ただしこの特例は1回限りなので、次回以降の車検では通常どおり課税されます。
- E-Fourにすると維持費はどれくらい増えますか?
-
年間10,000kmで6,072円の増加です。自動車税も自賠責も2WDと同額なので、増えるのは燃料費だけ。E-FourのWLTCは30.0km/L、Z・G・U 2WDが33.6km/Lという差から計算しました。車両価格の上乗せ214,500円のほうは燃料費では回収できず、回収に約35年かかる計算になります。
- アクアの購入時に環境性能割はかかりますか?
-
かかりません。環境性能割は令和8年3月31日をもって廃止され、登録日が令和8年4月1日以降は課税されないためです。2026年3月以前に作られた見積もり例を参考にしていると、この欄に金額が残っていることがあります。見積書を受け取ったら、環境性能割の行が0円になっているかを確認してください。
- アクアのリサイクル料金はいくらですか?
-
合計11,010円です(’26年7月時点)。内訳はシュレッダーダスト料金7,790円、エアバッグ類料金2,800円、情報管理料金130円、資金管理料金290円。新車購入時に一度だけ預託する費用で、毎年かかる維持費ではありません。同じトヨタでもヤリスのリサイクル料金は9,740円ですから、車種を取り違えた表には注意が必要です。
- GR SPORTは維持費が高くつきますか?
-
年間維持費で見ると、むしろE-Fourより安く収まります。GR SPORT(30.7km/L)の年10,000kmでの維持費は95,155円で、E-Four(30.0km/L)の96,447円を1,292円下回る計算。自動車税も重量区分も他グレードと同じですから、差が出るのは車両価格3,238,400円のほうです。ただしタイヤは205/45R17と大径のため、交換時の費用は上振れしやすいでしょう。
- 5年乗るなら、どの型式が総額で安いですか?
-
年10,000kmならX 2WDの2,943,710円が最安です。車両本体価格2,497,000円に5年ぶんの維持費446,710円を足した数字。注目したいのはX E-Four(3,193,735円)とG 2WD(3,139,175円)の逆転で、上位グレードの2WDのほうが54,560円安く収まる点です。価格はトヨタモビリティ神奈川の価格・グレードページで確認できます。
まとめ|新型アクアの維持費は「走行距離」と「駆動方式」の2軸で決まります

アクアは排気量も重量区分も1つしかないため、固定費39,780円が全型式で共通します。差がつくのは燃料費だけで、その燃料費は走行距離と駆動方式でほぼ決まる構造。金額を置けない項目は置かず、置ける項目だけで積み上げました。
- 年間64,561〜124,780円
- 固定費は全型式で同額
- 新車時の重量税は0円
- E-Fourは燃費では回収不能
- 5年総額でX E-FourとG 2WDが逆転
冒頭で「金額を置ける項目と置けない項目の線引きが分かる状態になる」とお伝えしました。固定費が全型式で同額であること、差額の100%が燃料費であること、そして新車時の重量税はどのグレードでも0円であること。この3点を押さえれば、維持費の比較表に振り回されずに済みます。

合計額の大きさより、どの欄に根拠が書かれているかを見てください
正直なところ、維持費の安さを最優先するならアクアが最適解とは限りません。年間5,000km前後しか走らない方の場合、燃料費の差は月300円程度にとどまり、車両価格の差のほうが桁違いに大きく効いてくるからです。逆に年15,000km以上走る方なら、34.3km/Lという燃費は5年で確実に効いてきます。自分の走行距離を先に確定させることが、この記事のいちばん実用的な使い方でしょう。
今日の一歩は2つ。まず車検証か点検記録簿で、直近1年の走行距離を確認してください。年5,000kmか10,000kmか15,000kmかで、本記事のどの列を見るべきかが決まります。次に、任意保険の見積もりを1社だけでも取ること。本記事が置けなかった唯一の大きな変動費がここだからです。この2つが埋まれば、あとは車両価格を足すだけで自分の5年総額が出せます。購入時の交渉と売却の順番については新型アクアの値引き|相場が公表されない車の交渉手順もあわせてどうぞ。

参考URL一覧
- トヨタ自動車 アクア 主要諸元表・装備一覧(’26年7月現在):https://toyota.jp/pages/contents/aqua/002_p_010/pdf/aqua_spec_202607.pdf
- トヨタ自動車 アクア 環境仕様(’26年7月時点・リサイクル料金):https://toyota.jp/pages/contents/aqua/002_p_010/pdf/aqua_ecology_202607.pdf
- トヨタ自動車 エコカー減税・環境性能割・グリーン化特例について:https://toyota.jp/ecocar/about1/index.html
- トヨタ自動車 ニュースリリース アクアを一部改良しGR SPORTグレードを追加(2026年7月6日):https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/44600338.html
- トヨタ自動車 ニュースリリース 新型アクアを発売(2021年7月19日):https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/35550666.html
- 総務省 2019年10月1日、自動車の税が大きく変わります:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/131410.html
- 国税庁 自動車重量税のエコカー減税(令和8年4月改訂):https://www.nta.go.jp/publication/pamph/kansetsu/eco_car.pdf
- 日本自動車工業会 エコカー減税:https://www.jama.or.jp/operation/tax/eco_car/index.html
- 損害保険料率算出機構 自賠責保険 基準料率:https://www.giroj.or.jp/ratemaking/cali/
- 資源エネルギー庁 石油製品価格調査(2026年8月31日調査・9月2日発表):https://www.enecho.meti.go.jp/statistics/petroleum_and_lpgas/pl007/results.html
- グーネット レギュラーガソリン価格 全国平均170.0円(2026年9月2日):https://www.goo-net.com/magazine/money/car-money/290395/
- MOTA トヨタ アクア 車種カタログ(2026年9月6日取得):https://autoc-one.jp/catalog/toyota/aqua/
- トヨタモビリティ神奈川 アクア 価格・グレード(’26年7月現在):https://www.toyota-mobility-kanagawa.jp/lineup/aqua/grade
- トヨタ公式・アクア 減税・補助金/グレード別優遇額一覧:https://toyota.jp/aqua/ecocar/index.html





