新型ノアの維持費とは、2026年5月6日発売の一部改良でハイブリッド専用となった90系ノアを保有し続けるためにかかる、税金・保険・燃料・整備の合計額のことです。
公的資料とメーカー公式だけで金額が決まる範囲でいうと、年間の恒常コストは71,756〜153,110円。5年総額なら621,745〜780,220円です。そして自動車重量税を入れて積み上げると、最も燃費の悪いHYBRID S-Z 2WDが5年でいちばん安いという逆転が起きます。理由は、この型式だけが新車登録時の重量税が免税になるからです。
この記事のポイント
- 年間の確定分は71,756円から
- 自動車税は年36,000円で確定
- 重量税はS-Z 2WDだけ免税
- 5年総額は621,745円から
- 住所で5年47,895円ちがう
公開日:2026年10月3日 / 最終更新日:2026年10月5日
新型ノアの年間維持費は71,756〜153,110円|確定できる項目だけを積む

結論から書きます。毎年かならず出ていくお金として金額を断定できるのは、自動車税と燃料代の2項目。この範囲なら年71,756円から153,110円です。幅が広いのは、グレード・駆動方式・走行距離・カタログ燃費か実燃費かという4つの変数が重なるからですね。
金額を出せる5項目と、出せない3項目を先に切り分ける
維持費の記事は、たいてい全項目に金額が入った表から始まります。当サイトはその前に、埋められる欄と埋められない欄を分けました。任意保険料・車検の基本料・タイヤなどの消耗品は、等級や地域や店舗で変わるため一律の目安が成立しません。ここに推定値を入れた瞬間、記事全体の数字の信用が落ちてしまう。
| 項目 | この記事での扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 自動車税(旧・種別割) | 年36,000円で確定 | 総務省の税率表と総排気量1,797ccから一意に決まる |
| 燃料代 | 1円単位で試算 | 公式燃費・実燃費・全国平均単価がすべて公開されている |
| 自動車重量税 | 型式別に確定 | JAMAの対象車一覧表と公式諸元表を突合 |
| 自賠責保険料 | 37か月25,180円で確定 | 損害保険料率算出機構の基準料率表 |
| 自動車リサイクル料金 | 14,330円で確定(初回のみ) | MODELLISTA公式プレスに’26年5月時点の金額を明記 |
| 任意保険料 | 金額を書かない | 等級・年齢・地域・補償内容で変動する |
| 車検の基本料・整備費用 | 金額を書かない | 販売店・整備工場ごとに設定が異なる |
| タイヤ等の消耗品 | 金額を書かない | 銘柄と購入先で価格が大きく動く |
8項目のうち、金額を出せたのは5つでした。ネット上で見かける「ノアの年間維持費は約◯万円」という数字の多くは、この出せない3項目に推定値を入れて作られています。その推定が妥当かどうかは、前提が書かれていない限り誰にも検証できません。だから当サイトは、検証できる部分だけを積み上げる方式を採っています。ヴォクシーの記事を書いたときは重量税も埋められませんでしたが、ノアでは型式別の突合まで到達できました。

全項目が埋まっている維持費表ほど、前提の確認が必要になります
年間の恒常コストを6型式×3距離で|カタログ燃費基準
毎年出ていく自動車税36,000円と燃料代を足した金額です。燃料単価は資源エネルギー庁の石油製品価格調査による2026年9月28日時点のレギュラー全国平均170.2円/Lを使いました。年1万kmなら、どの型式でも10万円台の前半に収まります。S-X 2WDの内訳は36,000円+(10,000÷23.8×170.2=71,513円)=107,513円。
| 型式 | WLTC | 年5,000km | 年10,000km | 年15,000km |
|---|---|---|---|---|
| HYBRID S-X 2WD | 23.8km/L | 71,756円 | 107,513円 | 143,269円 |
| HYBRID S-G 2WD | 23.6km/L | 72,059円 | 108,119円 | 144,178円 |
| HYBRID S-Z 2WD | 23.4km/L | 72,368円 | 108,735円 | 145,103円 |
| HYBRID S-X E-Four | 22.1km/L | 74,507円 | 113,014円 | 151,520円 |
| HYBRID S-G E-Four | 21.9km/L | 74,858円 | 113,717円 | 152,575円 |
| HYBRID S-Z E-Four | 21.8km/L | 75,037円 | 114,073円 | 153,110円 |
表から読めることが2つあります。同じ駆動方式のなかでグレードを変えても、年1万kmの差は最大1,222円しかありません。対して2WDとE-Fourの差は、S-G同士で年5,598円。つまり毎年の出費に効くのはグレードではなく駆動方式です。そして走行距離を3倍にすれば燃料代も3倍になるので、最大の変数は結局「どれだけ走るか」に落ち着きます。
実燃費で組み直すと年24,916円ふえる|予算はこちらで
同じ式に、実際の給油記録から集計された値を入れます。e燃費が公開している90系の実燃費(2026年10月3日取得)は2WDが17.54km/L、E-Fourが16.78km/L。年1万kmでは2WDが133,035円、E-Fourが137,430円になり、カタログ基準のS-G 2WDより24,916円ふえます。
| 基準 | 年5,000km | 年10,000km | 年15,000km |
|---|---|---|---|
| 実燃費17.54km/L(2WD・90系全体) | 84,518円 | 133,035円 | 181,553円 |
| 実燃費16.78km/L(E-Four・90系全体) | 86,715円 | 137,430円 | 188,145円 |
| 参考:S-G 2WD・カタログ23.6km/L | 72,059円 | 108,119円 | 144,178円 |
ただしe燃費の集計対象は2022年以降の90系全体で、2026年5月改良後の車両はほとんど含まれていないと考えられます。納車が始まったのが2026年6〜7月以降だからです。だからこの数値は「改良後モデルの実燃費」ではなく、同じ2ZR-FXE型を積む90系の実績値として読んでください。乖離率の計算過程は新型ノアの燃費|カタログ23.8km/Lと実燃費の乖離を検証で全部開示しました。家計の予定表を作るなら、実燃費基準の行を採用するのが安全です。

税金はいくら?内訳を1項目ずつ出典と時点つきで確認

ここからは項目ごとに根拠を示します。自動車税は総務省の税率表、自賠責保険料は損害保険料率算出機構の基準料率表、リサイクル料金はMODELLISTAの公式プレス。金額の裏にある「いつ時点の、どの資料か」まで書いておきます。
自動車税は年36,000円|1,797ccという排気量で決まっている
ノアの総排気量は1.797L、つまり1,797ccです。総務省が公表している税率では1,500cc超2,000cc以下の自家用乗用車が該当区分で、2019年10月1日以降に新車新規登録した車の年額は36,000円。それ以前に登録された車に適用される旧税率とは3,500円の差があります。
見落としがちなのは、ハイブリッドであることがこの税額に影響しない点です。排気量だけで決まる税金なので、2026年5月にハイブリッド専用化されても金額は1円も動いていません。グリーン化特例による翌年度の軽減も、トヨタ公式の説明では対象が電気自動車・燃料電池車・プラグインハイブリッド車・天然ガス車に限られており、ノアは制度の対象範囲の外にあります。なお2026年4月から表記が整理されたため、見積書によって「自動車税」「自動車税種別割」と書き方が揺れますが、同じ税金です。
自賠責は37か月25,180円|納期2027年なら新しい料率が適用される
新車で買うときの自賠責保険は37か月契約です。損害保険料率算出機構が2026年4月30日に届け出た基準料率表によると、自家用乗用自動車の37か月は2026年10月31日以前始期が24,190円、2026年11月1日始期以降が25,180円(離島以外・沖縄県を除く)。JAF Mate Onlineが2026年7月2日に伝えた新旧比較でも同じ数字が示されています。
| 契約期間 | 2026年10月31日以前始期 | 2026年11月1日始期以降 | 差 |
|---|---|---|---|
| 37か月(新車購入時) | 24,190円 | 25,180円 | +990円 |
| 25か月 | 18,160円 | 19,070円 | +910円 |
| 24か月(継続車検時) | 17,650円 | 18,560円 | +910円 |
ここで実務的に大事な点を2つ。1つは、新車の見積もりに24か月の金額を当てはめてしまうミスです。37か月と24か月では6,000円以上ズレるので、見積書の期間欄を必ず確認してください。もう1つは時期。正規販売店の案内では、ノアの納期は2027年に入ってからと案内されています。つまり実際の契約始期は2026年11月1日を過ぎている可能性が高く、新しい料率25,180円で計算しておくのが現実的でしょう。この記事の試算も25,180円を採用しています。
環境性能割は0円・リサイクル料金は14,330円|どちらも初回だけ
2026年に入って最も大きく変わったのが環境性能割です。トヨタ公式の説明では令和8年3月31日をもって廃止され、登録日が2026年4月1日以降の自動車には課税されません。2025年以前に作られた見積もり例やコラムには、この項目が金額入りで残っています。総額を比べるときは、まずここを疑ってみてください。
自動車リサイクル料金は14,330円。MODELLISTAが2026年5月12日に公開した公式プレスに’26年5月時点の金額として明記されていました。購入時に1回だけ支払う費用で、毎年の負担ではありません。似た性格の初回費用としては自賠責の37か月ぶんがあり、この2つで39,510円。年割りにすると効いてこない金額ですが、乗り出し価格には確実に乗ってきます。見積書の組み立て方は新型ノアの見積もり|乗り出し価格とオプションの必要度マップで分解しました。

自動車重量税で起きるもう一つの逆転|S-Z 2WDだけが免税になる

ノアの燃費は最も安いS-Xが最良でした。ところが自動車重量税では順番が逆になります。新車登録時の3年分は、HYBRID S-Z 2WDが免税で0円、S-X 2WDとS-G 2WDが7,500円、E-Fourの3グレードが15,000円。最も燃費の悪い型式が、最も税金の安い型式になるという構図です。
型式別の税額|0円・7,500円・15,000円の3段階に分かれる
判定の手順を先に書きます。日本自動車工業会が公開しているエコカー減税対象車一覧表のうち、ヘッダーに「2026(令和8)年5月1日から2027(令和9)年4月30日までに新車新規登録等を行う場合に適用」と印字されたページを取り出し、公式諸元表の車両型式・車両重量・WLTC燃費値と1行ずつ突き合わせました。その結果、S-Z 2WDだけが免税、S-X 2WDとS-G 2WDが75%軽減、E-Four全3グレードが50%軽減という3段階に分かれます(オプション非装着時)。
| 型式 | 車両重量 | WLTC | 一覧表の基準値 | 達成率 | 軽減区分 | 新車登録時(3年分) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| HYBRID S-Z 2WD | 1,680kg | 23.4km/L | 22.2 | 105% | 免税 | 0円 |
| HYBRID S-X 2WD | 1,630kg | 23.8km/L | 22.7 | 100% | 75%軽減 | 7,500円 |
| HYBRID S-G 2WD | 1,640kg | 23.6km/L | 22.6 | 100% | 75%軽減 | 7,500円 |
| HYBRID S-X E-Four | 1,680kg | 22.1km/L | 22.2 | 95% | 50%軽減 | 15,000円 |
| HYBRID S-G E-Four | 1,690kg | 21.9km/L | 22.2 | 95% | 50%軽減 | 15,000円 |
| HYBRID S-Z E-Four | 1,720kg | 21.8km/L | 21.9 | 95% | 50%軽減 | 15,000円 |
表のとおり、新車登録時に税金がゼロになるのはいちばん高いグレードの2WDだけ。金額そのものは最大15,000円の差なので家計を揺るがす額ではありませんが、「上位グレードは維持費も高い」という思い込みは、ここで一度崩れます。ちなみに車両重量そのものはノア全型式が1,630〜1,720kgで、自動車重量税の「1.5t超2.0t以下」という区分は共通。区分が同じでも、軽減率が違えば税額は3倍ちがうというわけです。
燃費が悪いほうが免税になる理由と、この判定の限界
なぜ23.4km/Lが免税で、23.8km/Lが75%軽減なのか。エコカー減税の軽減率は絶対的なkm/Lではなく、車両重量の区分ごとに定められた燃費基準の達成率で決まるからです。一覧表に印字された令和12年度燃費基準値は、S-X 2WD(1,630kg)が22.7、S-Z 2WD(1,680kg)が22.2。重い車ほど基準値が緩むので、23.4÷22.2=105%のS-Zが、23.8÷22.7=100%のS-Xを上回ります(達成率は5%刻みで切り下げ)。カタログの数字だけを並べても答えが出ない領域ということですね。
限界も正直に書いておきます。この判定は当サイトがJAMAの一覧表と公式諸元表を突き合わせた結果であり、メーカーが型式ごとに税額を明示した文書を確認したものではありません。諸元表の注記によると快適利便パッケージで20kg、ディスプレイオーディオや寒冷地仕様などで各10kg重くなるため、オプション装着で区分が動く可能性もあります。JAMAの案内によれば現行のエコカー減税は2026年5月1日から2028年4月30日までで、乗用車の基準は2027年5月1日に引き上げ。2027年5月以降に登録する場合は、この表がそのまま使えない可能性があります。最終的な金額は見積書の実額で確認してください。

減税区分は燃費の順位表ではなく、重量区分ごとの相対評価で決まります
初回車検は全グレード20,000円|3年目に差が消える
新車登録から3年後、初回の継続検査でふたたび自動車重量税を払います。このときの税額は全グレード共通で20,000円(2年分・本則税率)です。新車時に免税だったS-Z 2WDも、ここでは他の型式と同じ金額を払うことになります。つまり重量税での有利不利は、最初の1回きりで終わるという性格の差です。
この点は長く乗る人ほど覚えておく価値があります。5年保有なら重量税の総額はS-Z 2WDが20,000円、S-X/S-G 2WDが27,500円、E-Fourが35,000円。差は最大15,000円で、初回登録時の差額がそのまま残る形です。3年で乗り換える前提なら差はもっと分かりやすく、S-Z 2WDとE-Fourで15,000円。ちなみに13年超の重課についても触れておくと、ハイブリッド車は重課の対象外とする整理が一般的ですが、2026年度時点の適用内容を当サイトは公的一次資料で確認できていないため断定しません。
5年総額は621,745〜780,220円|最上級のS-Z 2WDがいちばん安い

年間の恒常コストに、初回だけかかる費用と重量税を足して5年で積み上げます。年1万km・カタログ燃費という条件なら621,745円から663,435円、実燃費で組み直すと最大780,220円。そして最も安いのは、最上級のHYBRID S-Z 2WDでした。
5年総額の内訳|何を足して、何を足していないのか
足したのは5項目です。自動車税36,000円×5年、燃料代×5年、自動車重量税(新車登録時の3年分+初回車検時の20,000円)、自賠責保険料(37か月25,180円+継続24か月18,560円)、自動車リサイクル料金14,330円。足していないのは任意保険料・車検の基本料・消耗品費の3項目で、これらは前提を置かないと数字にできません。
| 型式 | 自動車税5年 | 燃料代5年 | 重量税5年 | 自賠責+リサイクル | 5年総額 |
|---|---|---|---|---|---|
| HYBRID S-Z 2WD | 180,000円 | 363,675円 | 20,000円 | 58,070円 | 621,745円 |
| HYBRID S-X 2WD | 180,000円 | 357,565円 | 27,500円 | 58,070円 | 623,135円 |
| HYBRID S-G 2WD | 180,000円 | 360,595円 | 27,500円 | 58,070円 | 626,165円 |
| HYBRID S-X E-Four | 180,000円 | 385,070円 | 35,000円 | 58,070円 | 658,140円 |
| HYBRID S-G E-Four | 180,000円 | 388,585円 | 35,000円 | 58,070円 | 661,655円 |
| HYBRID S-Z E-Four | 180,000円 | 390,365円 | 35,000円 | 58,070円 | 663,435円 |
燃料代の前提は年1万km・レギュラー170.2円/L・カタログ燃費です。実燃費17.54km/Lで組み直すと2WDは743,245〜750,745円、E-Fourは16.78km/Lで780,220円まで上がります。この差、およそ12万円。5年という単位で見ると、カタログ燃費で予算を組むことの危うさがはっきりします。カタログ基準の数字は、車同士を比べるためのものと割り切ってください。
最上級が最安になるという結論|S-G 2WDとの差は4,420円
表をもう一度見てください。5年総額の最安はHYBRID S-Z 2WDの621,745円で、S-G 2WDより4,420円、S-X 2WDより1,390円安い。燃費では最下位のS-Zが、重量税の免税ぶんで燃料代の不利をひっくり返しています。車両価格ではS-Xより795,300円高いグレードなのに、です。
ここから引き出せる結論は1つ。維持費でグレードを選ぶ理由は、ノアには存在しません。2WDの3グレードは5年で4,420円しか違わず、月あたりに直せば74円。この差でグレードを決める人はいないでしょう。逆にいえば、装備や乗り心地で選んでも維持費のペナルティは実質ゼロということでもあります。グレード間の装備差は新型ノアのグレード比較|S-X・S-G・S-Zの価格差を装備で分解するで1円単位に分解しました。


5年で4,420円。維持費を理由にグレードを我慢する必要はありません
金額を置かなかった3項目|任意保険・車検基本料・タイヤ
ここは正直に書きます。任意保険料は等級・年齢・使用目的・補償内容・地域で変わり、車種だけで目安を出すことができません。車検の基本料も同じで、ディーラーか整備工場か、どこまで交換するかで大きく動く。これらに「相場◯円」と書いてしまえば数字は揃いますが、読者が実際に払う額とはほぼ一致しません。
タイヤについては、金額の代わりに知っておくべき事実を置いておきます。S-Z 2WDだけが205/55R17で、S-Z E-Four・S-G・S-Xは205/60R16です。サイズが違えば交換のたびに見積もりも変わるので、長く乗る前提ならここは効いてきます。ちなみに価格.comのレビューには、新車装着タイヤから市販タイヤに替えたら荒れた路面の突き上げが「かなり改善されました」と書き直している投稿者がいました。タイヤ交換は費用であると同時に、乗り味の調整手段でもあるということですね。
- 任意保険は3社以上で見積もる
- 車検は基本料と部品代を分けて聞く
- タイヤは契約前にサイズを確認する
住んでいる県で5年47,895円ちがう|沖縄と宮城の16.8円/L差
最後は車ではなく住所の話です。資源エネルギー庁の2026年9月28日時点の調査では、都道府県別のレギュラー価格は沖縄県180.0円/Lが最高、宮城県163.2円/Lが最安でした(グーネットの集計記事による)。その差16.8円/Lは、実燃費17.54km/L・年1万kmで年9,579円、5年で47,895円になります(102,623円と93,044円・当方算出)。
この47,895円は、5年総額でいちばん高いS-Z E-Fourといちばん安いS-Z 2WDの差41,690円を上回ります。つまり住所のほうが、型式選びより維持費を左右している。もちろん燃費のために引っ越す人はいませんが、ネット上の「年間維持費◯万円」という数字が全国平均を前提にしていることは知っておいて損はありません。都道府県別の価格は毎週動くので、給油するエリアの直近値で計算し直すと精度が上がります。
選び方が維持費に効く3つの分岐|駆動・定員・兄弟車

グレードでは4,420円しか動かない維持費も、選び方によっては桁が変わります。効くのはE-Fourにするかどうか、8人乗りを選ぶかどうか、そしてノアとヴォクシーのどちらを買うか。この3つの分岐を、金額で整理します。
E-Fourは253,000円+5年35,490円|合わせて288,490円の判断
E-Fourの上乗せ額は全グレード一律253,000円です(当方算出:3,514,500円−3,261,500円、3,953,400円−3,700,400円、4,309,800円−4,056,800円がいずれも一致)。これに5年の維持費差35,490円(S-G同士・燃料代27,990円+重量税7,500円)が加わり、合計288,490円の判断になります。
この金額を燃費や税金で回収する道はありません。E-Fourは経済性の装備ではなく、雪道や凍結路で使うために買う装備です。2026年5月の改良でE-Four車にはSNOW EXTRAモードが追加されており、機能面では強化されました。判断の軸は「年に何回、雪の上を走るか」の一点でいいと考えます。ちなみに最低地上高は2WDの140mmに対しE-Fourが125mmで、全高も1,895mmと1,925mmで異なる。立体駐車場を使う人は、この30mm差のほうが先に効いてくるかもしれません。
8人乗りは2WD専用|選んだ時点で安いほうに固定される
定員の選択には、価格表を眺めているだけでは見えない制約があります。E-Fourが選べるのは全グレードとも7人乗りだけで、8人乗りは2WD専用です。S-Zにいたっては7人乗りしか設定がありません。つまり8人乗りを選んだ人は、駆動方式を選ぶ余地がない代わりに、維持費の安いほうへ自動的に固定されるということになります。
もう1つ、乗車定員は自動車重量税に影響しません。重量税は車検証の「車両重量」で判定されるため、7人乗りでも8人乗りでも同じ区分・同じ税額です。車両総重量のほうは8人乗りが55kg重くなりますが(S-X 2WDで2,015kgと2,070kg)、これは税額を決める数値ではありません。そして7人乗りと8人乗りは同一価格。雪国に住んでいて8人乗りが必要な家庭だけが、ここで妥協を迫られる構図です。

8人乗り希望で雪国。この条件だけは、ノアでは両立できません
ヴォクシーとの50,600〜70,400円差は、維持費では1円も戻らない
3つ目は兄弟車との比較です。同一グレードで比べると、ヴォクシーはS-Gで50,600円、S-Zで70,400円ノアより高く設定されています。そして同一グレード同士のWLTC燃費は一致し、排気量も同じ1,797cc。つまり自動車税と燃料代という維持費の主柱は完全に同額です。
| 比較項目 | ノア | 差 |
|---|---|---|
| HYBRID S-G 2WDの車両価格 | 3,700,400円 | ヴォクシーが50,600円高い |
| HYBRID S-Z 2WDの車両価格 | 4,056,800円 | ヴォクシーが70,400円高い |
| いちばん安いグレード | 3,261,500円(S-X) | ノアに廉価グレードがある |
| 自動車税・燃料代 | 同一グレードなら同額 | 差なし |
結論は単純です。車両価格の差は維持費では埋まらず、5年経っても10年経っても差額はそのまま残ります。50,600円という額は、S-G 2WDの5年総額626,165円の8%にあたる金額。デザインの好みで選ぶのは当然ありですが、「維持費で取り返せる」という判断だけは成立しません。なおノアには3,261,500円のS-Xという入口があり、ヴォクシーの最安グレードとは489,500円ひらきます。装備と価格の関係は新型ノア完全ガイド|価格・グレード・燃費・納期の全体像で全体像を確認してください。

ちなみに維持費より桁の大きい変数が、手放すときの金額です。ガリバー公式が公開している査定実績(2026年10月2日更新・過去6ヶ月・1,759件)を見ると、同じ「ハイブリッドS-Z」でも最高377.9万円から最小211.3万円まで166.6万円の開きがあります。年式・走行距離・状態の差とはいえ、5年の維持費総額を大きく超える幅。実際の査定がどう動くのかは、MOTA車買取を実際に使った体験レビューで申し込みから金額提示までの流れを公開しています。

よくある質問
維持費まわりで実際によく検索されている疑問に、2026年10月3日時点で当サイトが承認できた情報源の範囲だけで答えます。一律の目安を出せない項目は、出せないと書きました。
- 新型ノアの年間維持費はいくらですか?
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毎年かかる確定分は71,756〜153,110円です。自動車税36,000円と燃料代を足した金額で、燃料はレギュラー全国平均170.2円/L(2026年9月28日時点)、走行距離は年5,000〜15,000kmを想定しています。実燃費17.54km/Lで組み直すと年1万kmで133,035円。ここに任意保険料・車検の基本料・消耗品費が別途かかりますが、これらは条件で大きく変わるため金額を出していません。
- ノアの自動車税はいくらですか?
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年36,000円です。総排気量が1,797ccで1,500cc超2,000cc以下の区分に入り、2019年10月1日以降に新車新規登録した自家用乗用車に適用される税率が年36,000円だと総務省が示しています。ハイブリッドであることは税額に影響しません。グリーン化特例による翌年度の軽減も、対象は電気自動車・燃料電池車・プラグインハイブリッド車・天然ガス車に限られています。
- ノアの自動車重量税はいくらですか?
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新車登録時の3年分は型式で3段階に分かれます。HYBRID S-Z 2WDが免税で0円、S-X 2WDとS-G 2WDが75%軽減で7,500円、E-Fourの3グレードが50%軽減で15,000円(オプション非装着時)。JAMAのエコカー減税対象車一覧表のうち2026年5月1日〜2027年4月30日適用分と、トヨタ公式の主要諸元表を突き合わせた結果です。なお7人乗りと8人乗りは車両重量が同一なので税額も同じ。3年後の初回車検では全グレード20,000円になります。
- なぜ燃費の悪いS-Zのほうが重量税が安いのですか?
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エコカー減税の軽減率が、車両重量の区分ごとに定められた燃費基準の達成率で決まるからです。重い車ほど基準値が緩く設定されるため、S-Z 2WD(1,680kg・23.4km/L)はS-X 2WD(1,630kg・23.8km/L)より低い燃費値でも達成率が高くなり得ます。絶対的なkm/Lの順位と減税区分の順位は一致しません。ただしオプション装着で重量や燃費値が変われば区分が動く可能性があるため、最終的な金額は見積書で確認してください。
- 自賠責保険料はいくらですか?
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新車購入時の37か月契約で25,180円です(2026年11月1日以降に保険期間の始期を有する契約・離島以外/沖縄県を除く)。2026年10月31日以前の始期なら24,190円で、差は990円。継続車検時の24か月は18,560円になります。ノアの納期は2027年に入ってからと案内されているため、実務上は新しい料率が適用される見込みです。24か月の金額を新車見積もりに当てはめると6,000円以上ズレます。
- 5年間の維持費総額はいくらになりますか?
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確定できる項目だけで621,745〜780,220円です。年1万km・カタログ燃費という条件ならHYBRID S-Z 2WDの621,745円が最安、S-Z E-Fourの663,435円が最高。実燃費で組み直すと2WDが743,245〜750,745円、E-Fourが780,220円になります。内訳は自動車税5年分・燃料代5年分・自動車重量税・自賠責保険料・リサイクル料金の5項目で、任意保険料と車検の基本料は含んでいません。
- E-Fourにすると維持費はどれくらい上がりますか?
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5年で35,490円です(S-G同士の比較・年1万km)。内訳は燃料代の差27,990円と自動車重量税の差7,500円。ここに車両価格の上乗せ253,000円が加わるので、合計288,490円の判断になります。燃費や税金で回収できる金額ではないため、E-Fourは経済性ではなく雪道での必要性で選ぶ装備だと考えてください。E-Fourは全グレードとも7人乗りのみで、8人乗りは2WD専用です。
- 任意保険料の目安はどれくらいですか?
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当サイトは金額を出していません。等級・年齢条件・使用目的・補償内容・地域で数万円単位で変わるため、車種名だけで意味のある目安が作れないからです。ネット上の「ノアの任意保険は年◯万円」という数字は、必ず何らかの前提条件を置いているはず。その前提が自分と一致しているかを確認しないまま予算に組み込むと、実額とかけ離れます。3社以上で見積もりを取るのが確実です。
- ヴォクシーと維持費は違いますか?
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同一グレード同士なら維持費の主柱は同額です。WLTC燃費が一致し、排気量も同じ1,797ccなので、自動車税と燃料代に差は生じません。一方で車両価格はヴォクシーがS-Gで50,600円、S-Zで70,400円高い設定。この差額は維持費で埋まらず、5年経ってもそのまま残る性質のものです。ノアには3,261,500円のHYBRID S-Xという入口があり、ヴォクシーの最安グレードとは489,500円の開きがあります。
- ノアは補助金や減税をいくら受けられますか?
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公式に示されているのはエコカー減税(自動車重量税)だけです。トヨタ公式の価格・グレードページの優遇額試算例(2026年10月3日確認)では、S-Z 2WD(7人乗り)の最大優遇額が約30,000円で、内訳はエコカー減税(車両重量税)のみでした。CEV補助金の対象になるかどうかは、当サイトでは公式資料で確認できていません。
- 環境性能割はかかりますか?
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かかりません。環境性能割は令和8年3月31日をもって廃止され、登録日が2026年4月1日以降の自動車には課税されないとトヨタ公式が案内しています。ノアの納期は2027年に入ってからと案内されているため、登録時点で課税される余地はありません。2025年以前に作られた見積もり例やコラムにはこの項目が金額入りで残っているので、総額を比較するときは注意してください。
まとめ|新型ノアの維持費は「前提の置き方」で12万円ずれる

ノアの維持費は、確定できる項目だけを積むなら年71,756円から、5年で621,745円から。前提をカタログ燃費にするか実燃費にするかで、5年総額はおよそ12万円ずれます。そして型式による差は、思っているよりずっと小さい。
- 自動車税は年36,000円で固定
- 重量税はS-Z 2WDが0円
- 2WD3グレードの差は4,420円
- 効くのは駆動方式と走行距離
冒頭で「維持費のどこが確定していて、どこが自分次第なのかを切り分けられる状態になる」とお伝えしました。確定しているのは自動車税・重量税・自賠責・リサイクル料金の4つ、自分次第なのは走行距離・任意保険・整備先の3つです。そして5年総額でいちばん安いのが最上級のS-Z 2WDだった、という事実が、維持費を理由にグレードを我慢する意味のなさを示しています。

維持費で削れるのは走り方と保険。車種選びで削る余地は小さいです
正直に書いておくと、維持費の安さを最優先する人にミニバンという選択肢はそもそも向きません。ノアの5年総額621,745円という数字は、確定部分だけの話であって、任意保険と車検を足せばここから大きく積み上がっていくでしょう。それでもハイブリッド専用化によって、このクラスの燃料代としてはかなり抑えられた部類に入ります。7人ないし8人を運べる車で年10万円台前半という水準を、どう評価するかでしょう。
今日の一歩は3つ。まず自分の年間走行距離を確認し、実燃費基準の表から年間の燃料代を1つ選ぶこと。次に任意保険を3社以上で見積もり、この記事の確定分に足すこと。最後に、契約前に見積書の「自動車重量税」と「自賠責保険料」の2行を、この記事の金額と照らし合わせてください。納期の前提は新型ノアの納期|正規販売店公式2社の出荷目処と受注状況の推移で確認できます。


見積書で照らすのは重量税と自賠責の2行。ここだけで十分です
参考URL一覧
- 総務省「2019年10月1日、自動車の税が大きく変わります」:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/131410.html
- 資源エネルギー庁 石油製品価格調査 調査の結果:https://www.enecho.meti.go.jp/statistics/petroleum_and_lpgas/pl007/results.html
- 損害保険料率算出機構 自賠責保険基準料率表PDF(2026年4月30日届出):https://www.giroj.or.jp/ratemaking/cali/pdf/202604_table.pdf
- JAF Mate Online「自賠責保険料が2026年11月から値上げ。」(2026年7月2日):https://jafmate.jp/car/traffic_topics_20260702_1199387.html
- 日本自動車工業会 エコカー減税(自動車重量税):https://www.jama.or.jp/operation/tax/eco_car/index.html
- 日本自動車工業会 エコカー減税対象車一覧表(トヨタ自動車・普通/小型乗用)PDF:https://www.jama.or.jp/operation/tax/eco_car/docs/list/jyouyou_toyota.pdf
- トヨタ公式 ノア 価格・グレード(減税・補助金 優遇額試算例):https://toyota.jp/noah/grade/
- トヨタ公式 エコカー減税・環境性能割・グリーン化特例:https://toyota.jp/ecocar/about1/
- トヨタ公式 ノア 主要諸元表・主要装備一覧表PDF(2026年9月版):https://toyota.jp/pages/contents/noah/004_p_001/pdf/noah_spec_202609.pdf
- MODELLISTA公式プレス「ノア・ヴォクシー MULTI UTILITY」PDF(2026年5月12日):https://www.modellista.co.jp/press/2026/0512_mu/pdf/print.pdf
- e燃費 トヨタ ノア(ハイブリッド)の燃費(2026年10月3日取得):https://e-nenpi.com/enenpi/carname/1858
- ガリバー ノアの買取相場・査定価格(2026年10月2日更新):https://221616.com/satei/souba/toyota/noah/





